無用の長物
便利軒とらたろう代表代理の田中です。先々月の甲府慰安旅行のお土産「ほうとう」。お得意様にはお配りしましたが…本当にお腹いっぱいになりますね。昨晩は酒を吞んだ後、そのほうとうを食べたところ食後急激に睡魔に襲われて、風呂(シャワー)にも入らずそのまま寝てしまいました(^^
さて投稿タイトルの「無用の長物」ですが…過去の営業品「自転車整備」です。昨日は便利軒の仕事としてでなく、代表代理個人の私用として自転車整備をしました。以下の投稿はその時の様子です。

チェーンが切れちゃったんですね。こんなことは滅多にないです。自転車レースでもメカトラブルとしてのチェーン切れは、1度も見たことがありません。切れる前に何らかの兆候があるはずなので、切れる前に交換します。
切れたということは、それだけほったらかしにしていたということですね……
チェーンを交換する時は、チェーンだけでなく関連の駆動系パーツも、同期して交換した方がいいと思います。

フロントチェーンリングですが、チェーン引っ掛かり部の山が原型をなくしていますね。交換した方がいいです。チェーンだけ替えたら、嚙み合いが合わなくなります。

今回の交換対象品です。シフトケーブル・フロントチェーンリング・スプロケット(シマノ製10段)・ディレーラー(ギアチェンジ装置)の4点です。
シフトケーブルの径は1.2mmです。ブレーキケーブルは1.6mmです。同じではないので注意が必要です。
ちなみに……世間一般の方って、ケーブルの径のイメージってお持ちでしょうかね?
例えば自転車のブレーキだと1.6mmでOKですけど、ハンモックを吊るとなるとちょっと危ないかなとか…ラック棚の耐震補強固定だと3.0mm以上だなとか。
では順々に作業をすすめていきます。

スプロケット交換です。自転車整備全般に言えるのですが、スキル的に難易度がそう高いというわけではないのですが、専用工具を使わないとその作業は難しいという場面があります。上写真のスプロケリムーバーとロックリングもそのうちの一つです。
専用工具なしでも強引にできないわけでもないですが、もし自転車整備をされるのでしたら専用工具を買った方がいいと思います。

チェーン切り工具です。同じ工具で切るのとつなぐのと両方ともやります。上の写真ではアンプルピンを挿し込んであるので、チェーンをつなぐシーンですね。切る時はハンドル先の矢で、連結部の旧ピンを押し出します。
工場などで使用する大きなチェーンの場合は、つなぐ時は割りピンを用いて連結しますが(下資料参照)自転車ではこの方式です。

ディレーラーを交換した後は、シフトケーブルを通します。

シフティングレバーです。現在(令和7年)の主流ではなく、昭和時代主流だったアナログタイプです。現在ではシマノでの正規品としての取り扱いはないと思います。「思います」ではなく、間違いなく取り扱いはないです(調査するまでもなく)。
内部はこうなっています(SISユニット)。レバー操作をすると、SISユニットがガチャガチャと動いてギアチェンジをします。

シフトケーブルを通した後はディレーラーの調整です。

ディレーラーのガイドプーリーの調整です。自分で資料を作るのが難しかったので、週末サイクリング部さんのHPを引用させていただきました。資料には記載がないのですが、左右の調整と同時にケーブルのテンション(張力)の調整も同時に行います。
けっこう面倒です。最初のうちはギアチェンジがスムーズにいかないと思います。徐々に期待する動きになるよう調整します。ここの調整は取り付け時にセッティングしたら、その後はいじることはないと思います。
ディレーラーの取り付けとも関わってくるのですが、チェーンの長さについてですが…

上写真のように、スプロケット中心からガイドプーリー・テンションプーリーが、鉛直になるようなチェーンのコマ数にします。現実的には旧チェーンと同じコマ数にすれば問題ないことになります。当然旧チェーンは劣化により延びているので、それは間違えないように注意します。
「鉛直になるように」と申し上げましたが、チェーンがかかっているギアによってテンションプーリーの位置は変わります(下資料)。基本「鉛直になるように」します。

以上の作業が終わったら、最後にシフトケーブルをワイヤーカッターで切断して、エンドキャップをかしめます。

ちなみに上写真のワイヤーカッター…今回の整備のためにホームセンターで新たに購入しました。(ワイヤーカッターは)持ってはいるのですが、手元になかったので…平日、代表代理は総合病院でパートの営繕作業をしています。そちら(病院)の方に置いてあるので。
それが自転車整備用の安物(¥1,800ぐらい)で、わざわざガソリンを使って取りに行くような代物ではなく…これから便利軒をやっていく上でお客様に見られることを考えると、この機にいいもの(¥5,000ぐらい)を買うことにしました。

完成です。フロントチェーンリングの色…合わないですね。予備品がそれしかなかったので。不問にしましょう。
本当でしたらタイヤに空気を入れて、試乗するべきなのですがそれは次の機会に。
今回、投稿タイトルを「無用の長物」といたしましたが…実際に仕事の依頼(自転車整備)がなく看板から外しました。でも、自転車で培った技術が現在の営業品に活かされているわけなので、「夢は形を変えても追い続けるもの」とか、そういう風にそれば良かったかなとも思います。
かつて自転車競技においてチャンピオン中のチャンピオンとまで言われたエディ・メルクス。選手生活晩年は往時の勢いはなくレース中、若手選手に次々と抜かされていく様がテレビ画面に映し出されました。
後日、人から聞かれました「多くのあなたのファンは、あなたのあのような姿は見たくなかった。なぜ、きりのいいところで引退しなかったのか?」。それに対して彼はこう答えました「好きなことをやめるのは、なかなか難しいものだ」と。
以上代表代理田中の「無用の長物」でした。それでは今後とも便利軒とらたろうを、よろしくお願いいたします。
